明治・大正・昭和を生きた日本人絵付師の生涯

美術、陶器、戦争、NY渡米、渡欧。明治・大正・昭和を生きた夫の曽祖父の自叙伝。大変興味深い内容でしたのでブログにしました。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第二章 京都伏見時代(2)

父は京都陶器会社へ図案部長として招聘され既に勤務していたので間も無く付近の一軒の家を借り、そこへ移った。伏見稲荷神社の直ぐ傍であった。 私は学校へ通わなければならないので伏見桃山の麓にある板橋尋常高等小学校高等科一学年へ転入した。こゝで当時…

第二章 京都伏見時代(1)

先に京都に行っていた父から東京を引き払って京都へ来るように連絡があったので母一人で荷物を整理して住み慣れた小梅村を後に親子四人は一刻も早く父に会いたいと新橋駅を発ったのは明治二十三年秋も末頃の十月ではなかったかと記憶している。 汽車というも…