明治・大正・昭和を生きた日本人絵付師の生涯

美術、陶器、戦争、NY渡米、渡欧。明治・大正・昭和を生きた夫の曽祖父の自叙伝。大変興味深い内容でしたのでブログにしました。

2020-01-01から1年間の記事一覧

第一章 小梅村腕白時代(4)

又母校の面影を明治四十一年五月二十四日発行の中和温故会々報第三号へ寄稿した。その文章の一部を記載して再び当時の記憶を辿って見よう。 ◯母校の面影 僕の記憶— — — —十八年前、母校を遠去かってから、常に無邪気な小さな胸に印せられていた学校、その腕…

第一章 小梅村腕白時代(3)

小梅村の腕白小僧 (中和小学校々友会発行 会報 昭和九年九月創立満六十年記念号「昭和九年二月二日稿」自稿中の一節) 私は明治二十三年東京を去って四十有余年、 今名古屋駅金城の下で六人の子供の親として貿易玩具製造に従事しております。 顧みれば四十…

第一章 小梅村腕白時代(2)

家のすぐ前には曳舟川(昭和30年埋立てられた)が流れ、裏の庭には古い池があった。腕白小僧の私は川で遊んだり池で魚を釣ったりしたものだ。 桜が咲けば向島へ出かけ、隅田川でボートレースがあるといえば、それを見に行った。 牛島神社(向島1の4)や三廻…

第一章 小梅村腕白時代(1)

明治13年2月11日 紀元節(建国記念日)の佳き日東京市浅草区象潟町(台東区浅草)で曽我徳丸の長男として呱々の声を上げた。 それでその祝日を記念する意味で年雄と命名されたとの事である。幼い頃軽い脳膜炎に罹ったそうだが何等の異常も無く今日に至った。…

自叙伝(遺稿)

ご訪問ありがとうございます。 本ブログは、絵師 曽我徳丸(五鼎)の長男であり、絵師 曽我竹山を祖父に持つ曽我年雄が自身の半生を書き溜めた原稿を、年雄の三男・曽我靖が1990年に自叙伝として製本化したものを分割し、記事として上げたものです。 気…