2022-01-16から1日間の記事一覧
今では書生等という言葉は使わないが当時は学校の生徒でも書生さんと言った。そして決まって黒の紋付き羽織に小倉の袴で羽織の紐は白で二尺位(約六十糎)もあった。それを先の方で結び首に掛けて歩いていた。下駄は朴歯の太い鼻緒のついた桐の厚いものでゴ…
主な事は万事女将が切り回していたが下宿代の事等はあまり督促がましい事を聞いた事が無かった。下宿人は全部で十二、三人は居た様だ。私は始め二階の三畳七分五厘という四畳に足りない隅の室で半年許り辛抱していた。下宿代も安かったが三畳七分五厘舎の主…