明治・大正・昭和を生きた日本人絵付師の生涯

美術、陶器、戦争、NY渡米、渡欧。明治・大正・昭和を生きた夫の曽祖父の自叙伝。大変興味深い内容でしたのでブログにしました。

2022-02-10から1日間の記事一覧

第七章 森村組勤務(日本陶器会社) (2)

本店の主任は中村太郎という前に関西貿易にいた人で仕入れ、見本等の監督をしていた。庶務には伊勢元一郎と深尾元邦という人がいて、この三人が森村家の三太夫であった。 この他に堀越和三郎という若い事務員や田村という森村家に縁故のある人が見本係をして…

第七章 森村組勤務(日本陶器会社) (1)

私の生涯の三分の一はこの月給生活であった。学校を出て専攻した絵画で世に出ようとした希望は卒業してみれば世の中というものは中々自分の思う様には行かないもので愈々となると目的も希望も変えなければならない羽目に陥るものだ。私が夫れだった。 森村組…