明治・大正・昭和を生きた日本人絵付師の生涯

美術、陶器、戦争、NY渡米、渡欧。明治・大正・昭和を生きた夫の曽祖父の自叙伝。大変興味深い内容でしたのでブログにしました。

2022-02-09から1日間の記事一覧

第六章 日露戦役 - 奉天付近の会戦記(8)

八月十四日 歩兵二個中隊乃至砲四及至六門を有する敵が午前五時頃我前面の三角台を占領し金山堡付近に来襲した。旅団は警急集合をし我大隊は午前八時五十分宿営地を出発、そして歩兵第十八聯隊長の指揮下に入り汗溝及び七家子を経て三角台に向ったが七家子に…

第六章 日露戦役 - 奉天付近の会戦記(7)

時に四日月は淡く西天に懸り星数は少なく静寂が辺りを包み犬の遠吠えが何となく無気味だ。今や我部隊は敵中に居るのだ。零時三十分支隊長より次の命令を受けた。 一、昨朝三十里堡二於テ敵ノ乗馬歩兵約五十騎、我将校斥候ト衝突シ北方二退却セ リ、第五師団…

第六章 日露戦役 - 奉天付近の会戦記(6)

三月十二日 後民屯に着き舎営、十三日も亦滞在した。大隊の会報に 一、奉天付近ノ開戦ハ一ト先ズ終局ヲ告ゲタリ。何時行動ヲ始ムルヤモ知レズ。依テ 総テノ諸準備ヲ成シ置クベシ。 二、携帯口糧ハ以前ノ如ク四日分携行セシムベシ。 三、敵状二付イテハ第二軍…